page.53 『悲鳴』


>「ノートはLの手に渡らず、殺しの道具としてもLの疑いを被らない」という線で

はい。根底から間違ってました!!(笑)
さすがだー、まんまとつぐみにやられましたよ〜!(←感嘆と敬愛の表現です)
貧弱な頭ながら自分なりに一生懸命考えても、それでも常に想像の斜め上。
これ、これです。これですよ。これなんですよ。


『悲鳴』をあげたのは夜神パパでもモッチーでも
はたまた月でもなく、間違いなく読者です!(笑)
まさかこう来るとはなぁ…うーむ…。
第二のキラ・弥登場で追い詰められて、
防戦一方、今は耐える時!なのかと思っていたらば、とんでもない。
新世界の神を自称するだけはある。
防御と見せてとんでもないカウンターをしたたかに用意してましたよこの男!(笑)
弥、レム、という不安定なマイナス要因を見事に発想を転換することで勝機へと変える。
さすがは”ものすごいプラス思考”の持ち主!(笑)

では今度はひとつずつ見ていきましょう。

■試してみるわけにはいかない
ええ?Lなら絶対やると思ったのに。
リンド・L・テイラーが使えたんですし、
「このノートにお前の名前を書いて、無事だったら無罪放免」とかいう
司法取引を、(日本じゃ無理そうだから)アメリカあたりの死刑囚とすればいいのに。
でも、試せない=本当にノートの力なのかわからない、ということが
今後カギになるのかもしれませんね。

■計算どおり
突然記憶が全て戻っても周りに悟られることなく、
状況と作戦に適した言葉を言い放つ!
なんという状況判断&適応能力でしょう!!(^_^;

で、その月。いったいどの程度まで想定していたのでしょうか。

牢からは出ても行動を制限された(=Lの直接の監視下にあるはず=24時間一緒)月が、
まずレムの仕立てた第三のキラを、Lと共に追うところまではよしとして、
第三のキラを追い詰める→人員の少なさからLも確保現場に立ち会うはず
→立ち会わないとしても、ノートがL側に陥ちれば必ずLのもとへノートが来る
→Lと行動を共にしているはずの自分もノートに触れることができるはず

てな感じ?
しかし問題はこのあと。

■ノートに火口の名前を書くことなく火口を殺す
ノートに触れている間だけ記憶が戻る等々は
月がノートを捨てる前にレムから聞いていたのでしょうからいいとして
ノートを手にしている間に第三のキラをノートを使うことなく始末して、
ノートの所有権を得る企み。
これは…月の部屋でリュークにさよならを告げたあとの時点で
想定し得た第三のキラ確保場面の状況、つまり
第三のキラ・レム・捜査本部の者、この3つの要素だけで可能な方法とみていいでしょう。
あ、当時はまだ局長たちも警察官だったし、警察も入れていいかもしれませんね。
うーん、そうだとして…ううーむ、レムを利用するとしか私には考えられないんですが…(^^;;

大体、あれだけの不利な形勢から攻めに転じることを企てる月のこと、
計画が上手く行ったとしてもきっと今後も邪魔になるであろう
レムも一緒に消してしまおうとするんじゃないか、とか。
でも現状が月の予想通りなのか、月がこの後どうしようとしているのかを
全く解っていないレムが、そうそう簡単に火口なんぞと
心中してくれるとは考えにくいですよねー。

更に、首尾よく火口を始末して月がノートの所有者になったとしても
そうなったら今度は月にレムが憑いて来るんですよね。
Lは始末するつもりだし始末できるまでは鎖でつながっているからいいとしても
ノートに触れてしまったほかの人たち(パパやモッチー)には、レムが見えますよ!(^^;
どうするつもりなんでしょう。

…お?

そうなるとやっぱりレムを火口と心中させるつもりというのが説得力を増すような?
しかもですよ、レムが死んだらジェラスのように、レムのノートも残るわけです。
そうなればLも気づいている”もう一冊のノート”がそれだとLをだますことも可!!
おおお、どうなるどうなる?
一石で三鳥を落としてしまうのか、新世界の神(予定)!?

■弥にLを始末させる
弥が再びノートを所有したとして、東大で一度見ただけの
Lの本名を正確に覚えているかどうか、かなり疑問です。
ノートを再び持つことで死神の目が戻ったとしても、
捜査本部にノート(切れ端でも)を持ち帰るわけには行きませんし、
もう一度掘り返してLの名前を書くという二度手間を取らなくてはなりません。
火口確保で忙しい中、人手が不足しているからといって
監視の目をたばかって2度もそんなことができるでしょうか。
しかも、アフロも弥の監視くらいは手伝えそうですし、
なによりヨツバ社員がキラとして確保されたことで
警察に対する圧力も変化しそうですし。

なにより、どうやってそれを弥に伝えるんでしょう?
もし埋めてあるノートに弥のすべきことの詳細を
あらかじめ月が記してあって、「何も聞かずにここへ行ってノートを掘り出せ」
とか言うだけで済むのだとしても、
月がLと鎖でつながれ、恐らくレムも常に監視されている状況で
一体どうやって月と弥が他の者に知られずそんな会話を交わせるのでしょう?

■今埋まっているノートは実は元弥の物
月がキラの記憶を取り戻す見開きページ。
過去のキラとしての月の言動などがあふれています。が。

注目!!…右下!!!!!
ひとつだけ作中に登場していない場面のコマがっ!!


ななななんと、リュークがレムにノートを渡しています!
恐らくノートを交換しているのだと思われます。
つぐみに謀られたーっ!!(笑)(←感嘆と敬あ(略))
「レムも想像も付いてないだろう」があたかも
「今 埋めてあるのは〜」に係っているように見えるのは、
そう、ミスリード!謀略です!(笑)
「レムも想像も付いてない」のは月がこの後何を企んでいるかですね。
くっそー、つぐみめー(笑)(←驚嘆と(略))

なるほどねー。
どうりで月が牢に監禁されてから第三のキラが動き出すまでに
2週間という時間は長いな、と思っていたのですよ。
それがこんな形になるとは。

それを手にした持ち主に憑くノートを交換する、という契約(?)は
恐らく死神同士が直接しなければならないのでしょう。
月が牢に監禁されるまでは月がノートの所有者でなければならないので
死神同士のノート交換をさせるのは、月がノートを捨ててから。

ただ、そうするとレムはいいとして、何故リュークがそれに従っているのか。
リュークは完全に月とLの対決に関しては傍観者なので
圧倒的に不利である月の邪魔はしないでおこう、程度だったのかもしれませんが。
しかし交換した後でまたノートを埋めておくのは…りんごで釣られた?(笑)
まあ、第四のキラが出現していないのですから、
どうあれ実際にノートは埋まっているのでしょう。



それにノートを交換したうえで第三のキラに使わせれば
ノートがL側にわたっても、ノートから弥の指紋は検出されないし
それを理由に(他の真の目的は伏せたまま)レムを説得できたでしょうし。
流石、新世界の神(笑)

…というわけで、次号の焦点は
月がどうやって火口を始末するのか?!ですね。

ところで今回、常に冷静で客観的な思考にゆるぎのないLが
激しく動揺している様の描写が最高でした。
言葉がどもるのはもちろん、思考が散漫で全くかみ合っていなくて
しかも人の言葉にもいちいち間を入れて反応していて
さらに、普段だったらあり得ない、自分の意見を他人に確認するようなことまで。
実質、思考停止。いわゆる真っ白状態。
必要以上に大きかったりサイズの定まらないフォントや
ノートをつまんでいた格好のままで止まっている描写からも
Lのかつてない動揺ぶりが見て取れます。
このあたり、流石小畑先生。
やっぱり大場&小畑両先生の組み合わせあってこそのデスノートなんだなと
改めて思い知らされました。

次号の副題は『中』
ノートの中、作戦の中身、はたまたLや月の頭の中(笑)
来週の月曜が待ち遠しくてたまりませんが、
ここはもう、おとなしく待ちましょう!(>_<)